ねえねえ知ってた? 平成十八年三月 |
平成18年3月23日(木)
先日、世界的にご活躍される画僧・慧善玄潭氏の展覧会に行ってきました。慧善氏が描かれる仏像は本当に清らかで、観ているだけで仏様の心と同通しそうなほどです。今回は、創作の舞台裏を伺うチャンスを戴きました。やはり、描く対象と向き合っていると、たとえば、文殊菩薩には智慧の煌めきを感じるように、それぞれの仏様から受ける波動が違うとのこと。キャンパスに向かっている間の幸福感は如何ほどのものか!と羨望を感じました。 最近、写経や写仏が静かなブームを呼んでいます。心が静まりリラックスしてくると、脳波はアルファ波となり、脳の中では、β-エンドルフィンのような脳内モルヒネが出てくるというのが昨今の研究成果。1月23日の日記には、笑っている時、心地よい音楽を聴いている時、マラソン等で肉体にストレスを与えた時に、この物質が出ると書きましたが、瞑想や気功や太極拳、それらに付随する腹式呼吸も、この脳内麻薬を盛んに出させるんですよ。このような脳内物質が発見されたのが約30年前、1975年のこと。それ以来、草木など外界にしかないと思われていた麻薬に代わって、身体にあらかじめ備わっている麻薬へと、研究者の関心が移ってきました。というのは、内なる麻薬は、身体の中で分解され、困った副作用を引き起こさないからです。しかも、心身をリラックスさせるだけではなく、免疫を活性化したり、いろいろなメリットがあるとわかったからです。 それに対して、外界の麻薬であるコカイン・モルヒネ・ヘロイン・大麻(マリファナ)・ニコチン・アルコールなどは、多幸感は引き起こすものの、有害な副作用があることが従来、問題になってきました。実は、その多幸感も結局は、脳内モルヒネの放出を促すため、或いは、それと同様の作用をするためだと理解が進んできました。タバコで一服が止められないのも、その時間、脳内では心地よくβ-エンドルフィンやドーパミンが出ているからなんですね。しかし、煙の中のCO(一酸化炭素)が血中のヘモグロビンと結びつくため、身体中の細胞は常に酸素不足に陥り、肌は黒くくすみますし、タールには多くの発ガン物質が含まれているので、両刃の剣とも言えるリラックス方法ですね。 又、最近の研究では、油物が好きな人は、食べている時、やはりエンドルフィンが放出されているとか。きっと、好きなものを食べている時は、みんなそうなんでしょう。さしずめワタクシなら、お寿司がエンドルフィン誘発食品でしょうか?アメリカの中高生が、下校後マリファナで一服という仰天ニュースがありましたが、人間は、もしかしたら、脳内麻薬を求めて、様々な行動を起こしているのかも知れませんね。 そこでお勧めするのが、腹式呼吸。もちろん、ウオーキングやストレッチ、エアロビクス、ジョギングなども同様の効果がありますが、いつでもどこでも出来るのが腹式呼吸。これを利用しない手はありません。タバコの煙をフーッと吐き切る要領で、長ーく息を吐いてみて下さい。タバコが止められないもうひとつの理由は、腹式呼吸に似た状態で息を吐くと、心身がリラックスするからなんですね。ワタクシは、日中も吐く息に気を付けていますが、寝る前にも布団の中で、腹式呼吸を実践しています。ほんと、心も身体もほどける気持ちで一日の疲れが飛んでゆきます。7〜8秒ほどフーッと息を吐き、少し身体が苦しさを感じるかな?というくらいまでそのままでいます。そして、又ゆっくり息を吸います。これを繰り返す内に、ヨガをされている方ならおわかりでしょうが、心身がふわーっとした感じになります。少し苦しくなるまで・・と書いたのは、ジョギングなどで身体が酸素不足になると(身体に負担をかけると)、脳内モルヒネが盛んに放出されるからです。でも、激しい運動が行き過ぎて酸素不足になると、活性酸素によって老化が早まるのでご注意を・・いずれにせよ、横隔膜が大きく上下に運動すると、横隔膜から信号が出て呼吸中枢を刺激し、呼吸中枢から視床下部へ信号が送られ、βエンドルフィンが分泌されるのです。しかも、モルヒネの5倍の強さの鎮痛作用があるので、痛み止めにもなります。カラオケや詩吟などの後、心身が爽快感を覚えるのは、多少息が苦しくとも腹式で息を吐くことを繰り返すことで、気は巡り、又、脳内モルヒネもたくさん出るからなのでしょう。又、腹式呼吸は、血圧を下げたり、がんの原因になるDNA損傷を修復する作用を強めるという報告もあります。「チャングムの誓い」第33話で、シン教授が呼吸法の指導をする場面で「息を吐きながら10歩以上歩く。そして息を吸いながら5歩歩く」と言っておられました。正に腹式呼吸の智慧ですね。 昨今の研究によって、古来、聖人と言われる方は、瞑想・座禅に伴う腹式呼吸や、声を出す勤行、良く歩くこと、身体を動かす作務などによって、心のエネルギーと共に、脳内麻薬を得ていたのだとわかります。その結果が、親鸞89才、蓮如85才、白隠83才のような長寿。それに対して、多くの人は外界から麻薬を得て、身体を壊していたのですね。もう、外界に麻薬を求めるのは時代遅れ。身体に備わっている天からのプレゼントを大切に活用してゆきませんか? **************************** 今日は、代表的な麻薬たちが会議をしているようです。 モルヒネ「とうとう人間に、ワテラの正体を見破られましたなあ。」 コカイン「それもこれも、エンドルフィンちゅう奴が脳の中で発見されたのが 元凶や。」 ヘロイン「いやあ、医学の進歩は、すごいでっせ。」 LSD 「感心してて、どないしはりますのん。これでは、ワテラ商売あがったり でんがな。そやから今日は、ワテラの生き残りを懸けて、あんさんらを 招集しましたんや。何ぞ、ええ方法を考えておくれやす。」 ヘロイン「ほんまほんま。どうやったら、人間に見捨てられずに済みまっしゃろ?」 ニコチン「そうでんなあ。やっぱり、ニコニコチンとあかんのとちゃいまっか?」 コカイン「あのなあ、愛想振りまくだけで巻き返しが図れるとでも思うてまんのか?」 ニコチン「そやけど、誰かが『笑顔は大切や〜』て言うてはりましたで。」 LSD 「ほんまにもう、どんならん。そや、マリファナはんはどこにいてはるん でっか? 大麻はんでんがな。」 ヘロイン「ああ、大麻はん。今、ちょっと旅行中とか聞いてますけど・・今日の 会議には間に合うように帰って来るて、言うてなはったけどなあ。 あっ、来はりましたわ。大麻はん、こっちこっち。」 LSD 「ちょっと、大麻はん、こんな大事な時に、どこ行ってはりましたん?」 大麻 「へえ、ちょっとタイマで・・」 (追記) 腹式呼吸については、「迷いの窓No.94」もご参考にしてくださいね。 |
平成18年3月19日(日)
今日は、大阪府が主催する「自殺について考えてみませんか?」という体験発表会・講演会に参加してきました。一昨年、府が自殺防止のアイデアを全国から募集し、京都の宗光さんという方の「自殺の誘惑を乗り越えた体験談を、パンフレットや講演を通じて普及する」という案が採用され、その一連の企画でした。全国から寄せられた体験談は、大阪府こころの健康総合センター提供「こころのオアシス」というHPに集められていますが、その中から今回3名の方が発表されました。最初は79才の笑顔が素敵なおばあちゃま。こちらに詳細がありますが、「夫が親友と駆け落ちしたり、数々の苦難が襲い、自分が自分でないかのような状態に陥り、ある日線路脇にフラフラと立った。その途端、背中におぶった子どもが火の点いたように泣き出し、ハッと我に返り、死ぬことを思いとどまった。更に、娘が心の病で死を選び、どん底にあったが、電車に乗っていた時、隣りにいた方がニコッと微笑まれた顔に心安らぎ、つらい状況にあっても、笑顔で生きようと決心した。苦難は『人生の問題集』と受け止め、4人の子どもを育て、この年まで生かされてきたが、今しみじみ『どの人も愛おしい、人生は素晴らしい』と感謝の日々を送っています。」という体験談に涙が流れました。 次の方は、目の前での投身自殺に何度も遭遇されている男性。「幼い頃、父親に死んだらどうなるかと聞いた時『何も無くなる。永遠の暗闇』と聞かされ、ずっと怖い思いをしてきた。しかし、その父が晩年、胃ガンで手術中、世に言われる幽体離脱をしたようで『手術されている自分を上から見ていた。肉体から離れても自分があるとわかり、安心した』と言い出し、あの世を信じるようになった。死んだら意識が無くなって楽になるというのは間違いではないか?」というお話をして下さいました。 3人目の女性も、「夫と長男を相次いで自殺で亡くし、自分も死のうと思ったが、今の主人と次男に励まされ、生きてきた。どん底を見た分、今は何も怖いものはない。皆さん生きてください」と訴えておられました。 日本の人口1億数千万人。もしその1%弱に当たる100万人の方が、厳しい苦難にあるとして、死を選ぶ人3万人。けれども、生を選んでいる人は97万人もおられる・・これらの方々の声をもっと知らせる必要があるのでは?という思いがしました。 かくいうワタクシも、数十年前に人生最大のストレスに曝された時、心がスッと楽になった言葉がありました。それは極限の中で心にふっと沸いてきた「あんたの勝手にすればいいでしょ!」という考えでした。「あんた」とは「苦しみを与えた人」ではありません。敬虔なクリスチャンや仏教者の方がおられたらごめんなさい。皆さまが信じておられる神や仏に当たる方だと思います。きれいな言葉に翻訳するなら「我が身に起きることは、あなたのお考えに任せます。」でしょうか?おそらく、古より世界を統べると言われてきた存在を、ワタクシが強烈に意識した最初だったのかも知れませんね。生きていれば、自分の責任を超えた出来事に見舞われることがありますよね。でも、「もう、あれこれ考えるのはよそおっと・・自分の力の及ばないことは、偉い方に任せちゃおう!」と委ねられる方が、どんな形であれ、心の隅っこにあるということが、ストレスを軽くするんだ〜と発見した体験でもありました。今はもちろん「あんた」なんて呼んでいませんからね・・ また、別の方は「あなたに背負えない荷物は与えられないんだよ」という言葉に、心が楽になったと言われます。そういう言葉の数々を、共有してゆきたいものですね。それにしても、苦難を乗り越えた方々のお顔はすがすがしかったわあ・・「笑いはなぜ大切か?」で、隣の部屋から流れてきた漫才に思わず笑ってしまい、自殺を思いとどまったというエピソードを紹介させていただきましたが、最初のおばあちゃまの「電車に乗り合わせた人の微笑みに救われた」というお話を聞いて「見知らぬ者同士が、無関心な眼差しではなく、笑顔を向け合える世の中になればいいなあ。」と、つくづく思ってしまいました。今日は話題が重かったあ?いや、どないしょ! |
平成18年3月14日(火)
2月13日の日記では、バレンタインデーから世界情勢にまで話が飛んでしまいましたが、やはり、ホワイトデーにも触れておかないと不公平かな?という気も致しまして、いろいろ調べてみました。過去の人生を綿密にスキャンしても、悲しいかな、ホワイトデーにプレゼントを頂戴した思い出など全くないワタクシですので、半ば義務的に調査を始めましたが、何と!ホワイトデー公式サイトがあったのですね。昭和50年代より、マシュマロやクッキーをお返しに!と宣伝する菓子会社もあったのですが、個々別々の動きに過ぎませんでした。そこで、業界挙げて取り組もうと、全国飴菓子工業協同組合(カンロやサクマなど)が、3月14日を「ホワイトデー」と名付け、「お返しはキャンディーで!」と大々的にキャンペーンを始めたのが、1980年。その普及活動の歴史は誕生秘話にもあるように、BGMに「地上の星」が流れてきそうなプロジェクト。最初の3年間の反応はいまひとつだったとか。しかし4年目にして、ようやくひとつの新しい習慣が国民に定着し始めました。団塊のおじさま達の情熱と行動力はすごい!
(注)(追記) ♪ミルキーはママの味♪というCMをご存じの方は、ワタクシと同年代でしょうか? さて、話は変わりますが、小2の息子が、算数のテストを持ち帰ってきました。「教室の黒板の横の長さを計るのに、ただし君は1メートルの物差しを使うと言います。まさ子さんは、30センチの物差しを使うと言います。さて、どちらが正しいでしょう。その理由も書きなさい。」という問題に、「まさ子さん。理由・・かわいい女の子が言っているから」と答えているのを発見!確かにイラストの、まさ子さんはかわいかった。算数のテストはともかく、決して、そのような理由で人生の選択を誤るなかれ・・と祈る母でありました。 |
平成18年3月10日(金) 7日は、大変長くなってしまい、誠に申し訳なく、本日は、超ショートな日記に致しました。「笑いは、なぜ大切か?」の中でも、金封を頂戴した時に「お気遣いありがとうございます。」と言うつもりが、「お小遣いありがとうございます。」と言ってしまった!という失敗談を告白ましたが、実は、つい最近まで「団塊(だんかい)の世代」を「団魂(だんこん)の世代」と思い込んでいたワタクシ。こんなページを見て、己が無知を思い知った次第。また、名古屋に行った時、「えっ、ひまつぶしって食べ物があるの?」と驚いて、よくよく見たら「ひつまぶし」だったり・・(注)うなぎ(まむし)を、おひつに入れて差し出すかららしい。ワタクシもしっかりだまされました!更には・・今日さ〜だまされたよ・・なんて書いてあれば「さだまさし」に関する記事?かと、だまされたり・・見間違い、聞き間違い、言い間違い・・世の中には、様々な過ちが日々生まれています。でも、おかげで笑う種は尽きず・・有り難いことですね。今日は、こんなページや、あんなページで、ほっと一息入れてくださいね。かわいい子どもの言い間違いはこちらから・・(糸井重里のHP「言いまつがい」より) |
平成18年3月7日(火)
来る3月10日は、「金子みすゞ」さんのお命日。3才で父親と死別、16才の時には、母親が再婚のため家を出て・・更には、チュンサンとユジンもびっくりの悲恋、夫との確執と病い、そして・・その才能が生前から光彩を放っていたとは言え、26年の生涯を、人は"薄倖"と呼びます。けれども、深い眼差しを世界に向け言葉を紡ぐ時、我が子の言葉を丁寧に拾い上げている時、確かに幸福な時間が与えられていたと、私は思いたい・・ 死後、心ない中傷から、みすゞさんを守らんと、家族が遺作を長周新聞の福田正義氏に渡し、雑誌の連載として紹介されたのが1937年。更に半世紀を経て、矢崎節夫氏を始めとする、みすゞの詩に魅せられた方々のご努力で、昨今大きく脚光を浴びるようになりました。山口県の金子みすゞ記念館には、すでに40万人もの方が来場されているとか。 また、多くの老若男女のみならず、プロの仏教者をもうならせる金子みすゞの詩・・「蜂と神さま」「花のたましい」「みんなを好きに」「砂の王国」「さびしいとき」「蓮と鶏」「私と小鳥と鈴と」「こだまでしょうか」「日の光」・・・万巻のお経が優しい表現の中に集約されている!と各宗派の僧侶の方々が感動を綴った本が書店に並んでいます。その「姿を変えた仏」とも呼べる作品が、時と共に輝きを強め、人々の心を照らしているのでしょう。「蜂と神さま」の訳を読んだローマ法王は、涙を流されたそうです。 著作権の関係で全ては転載できませんが、「花のたましい」には 「散ったお花のたましいは、み仏さまの花ぞのに、 ひとつ残らずうまれるの・・・(略) 風がおいでとよぶときに、やはりすなおについてゆき、 なきがらさえも、ままごとの ご飯になってくれるから。」 とあります。みすゞさんも、風に招かれ・・素直についてゆき・・今は「み仏さまの花ぞの」で、心おきなく詩を創っておられるのかも知れませんね。「貴女の遺された作品は、確かに私たちの心の『ご飯』になってくれていますよ。数々の向かい風が吹き付けた人生でしたけれども、今ようやく幸せを掴まれましたね。」と呼びかけて差し上げたい気持ちになります。 どんな詩か見てみたいなと思われる方は、こちらからどうぞ。みすゞさんが最後の夜に見た空もこちらで見られます。私の大切な記念日には、三日月がイアリングを付けたように金星が光って、新聞記事に写真が載っていました。人生最後の夜空を愛でてから息を引き取る・・私もそうありたいなと思います。もちろん、天寿を全うしてからですけれどね(*^_^*) 手元に、矢崎節夫著「みすゞコスモス」があります。詩の解説もステキで、みすゞ入門には格好の本だと思いますが、そのP109に目からウロコの情報を発見! 「流れ星は星ではなく、3〜7ミリの宇宙の塵。このチリが地球の引力に引き寄せられ、大気圏に突入する時、摩擦で燃え、あのように美しい光を発する」のだそうです。 「米粒ほどのちっぽけな鉱物の欠片が、人々に感動を与えるのなら、身長1メートルはゆうに超える私たち、必ず何かできるに違いない!」と勇気を得たサンサンてるよでありました。うん、がんばろう! 陰の声・・・ちょっとサンサンさん、あんたが大気圏に突入したら、「星に 願いを」どころか、皆さん『恐怖の大王が降ってきた〜!』と 逃げまどうわ。 サンサン・・誰が、大気圏に突入するのん?そんなこと言うてへんやんか。 陰の声・・・そやけど、身長の問題と違うと思うねんけど・・ サンサン・・そしたら、何の問題やのん? 陰の声・・・体重の問題(^o^) サンサン・・あのねえ、突然、ひとの日記に乱入してきて、しょうもない事 言わんといて!そや、2月13日に「ちょっとサンサンさん・・」 言うて、急に割り込んできたのも、あんたでしょ? 陰の声・・・そうよ。よくわかったわねえ。 サンサン・・あら、開き直ったわね。あんた、一体何者なん? 陰の声・・・何者って・・あんたの影やんか。 サンサン・・えっ、ワタシの影? 陰の声・・・金子みすゞの「日の光」ちゅう詩にも書いてあるでしょ?サンサン 照ってるだけでは、暑がられるの!ちゃんと影もあって、 皆さんが憩えるんや。あんたねえ「あの記憶は消して しまいたい」とか「こんな失敗なんでしたんやろ?」とか 時たま思うでしょ?けど、影を消してしまったら、あんたも 一緒に消えてしまうねんで? サンサン・・えっ、何で? 陰の声・・・この間かて、大阪城の梅林でメガネを無くした我が子の 失敗に目くじら立ててたやん。3分間ほどやったけど・・ そやけど、あの子にとってあの失敗は、将来大きな失敗から 身を守るために、必要な経験やったのかも知れへんねんで。 そやから、あんたかて、他の人が心の中にガラクタを放り込む ようなことがあったとしても、あんたにとっては必要やったんやと ワタシは思うで。それも、大事なあんたの一部やねんて・・ 人生のジグソーパズルにとっては、どれも無くてはならない ピースや。別に、私が影やから、自己弁護するわけやないけど・・ サンサン・・そやけど、長い間、消化不良起こして苦しんだわ。 陰の声・・・消化するもんやないて。消えてしもたら、もったいないがな。 あこや貝のように粘液を出して、心の中に真珠を創りなはれ。 何年何十年かかっても、ええから・・けど、もう、7割方出来 上がってきてるんとちゃう? サンサン・・えっ、ほんま?それやったら嬉しいわあ。 陰の声・・・絶対に起きてはいけないことは、起きないようにプログラム されてるねん。たとえば、太陽系の惑星がそれぞれの 軌道をはずれて衝突するような事は、まず起きない。 天文学者によると、太陽系全体で地球を守るかのように 宇宙を旅しているそうやで。太陽は、バリアを周りに創って、 有害な宇宙線からみんなを守ってくれているし、木星なんか は、地球の外側を廻って、隕石の集団が地球に衝突する のを盾となって、防いでくれているねんで。まるで宇宙に 意志があるように、星は整然と動いてくれているんや。 そやけど、もし人間も「この軌道しか走ったらあかん」って 思いや行動を決められていたらどうなる? サンサン・・そら、間違いもない代わりに、あんまりおもしろくない社会 になるわねえ。第一、ドラマや小説が成り立たへんわ。 陰の声・・・そやろう?そやから、他人や自分の失敗くらい、笑い飛ばす くらいの度量を持ちなはれっちゅうねん。 サンサン・・そら、光も影も、両方愛せる人になりたいけどなあ・・ 影の声・・・「みんなを好きに」でここ数日、みすゞさん関連の本を十冊近く読み耽りました。どれほどの涙が流れたことでしょう。それらは、仏教を身近なものに感じさせてくれました。最も避けたい影のひとつである「我が子の死」・・昔は、そういう悲しみがあちらこちらで見られたのでしょう。「繭と墓」という詩には、みすゞさんの幼子たちへの温かい祈りが感じられます。私たちが生かされる世界は、この世だけではないんだよと、きっと教えてくれているのでしょう。最近、公立小学校で、金子みすゞさんの詩を暗唱するところが増えているとか・・(私の近所では、カトリックの小学校でも・・)宗教教育導入にまだ踏み切れない日本にとっては、有り難いことですね。 <補足> みすゞさんについて調べていたら、3年前に「みすゞ」という映画が制作され、DVD(税込み5040円)も発売中と知りました。映画を企画されたのが、何と、あの紀伊國屋書店鰍bEOの松原治会長!そこで早速、kinokuniyaBookWebから注文いたしました。うーん、届くのが楽しみ(*^_^*) 最後になりましたが、私の目を、金子みすゞさんの世界に向けさせて下さった
久世栄三郎様に、心よりの感謝とお祝いを申し上げます。 ![]() |
平成18年3月1日(水)
金子みすゞの「不思議」という詩に「私は不思議でたまらない、黒い雲からふる雨が、銀にひかっていることが。私は不思議でたまらない、青い桑の葉たべている、蚕が白くなることが。(後略)」という幼子のような感性を綴ったものがあります。白一色と考えられていた太陽の光が、実は七色からできていることを、プリズムを使って初めて証明したのが、かのニュートン。1666年の出来事でした。以来、夕日が赤く見えるのは、大気中を遠く旅してきても、途中で失われないのが、赤色の光であるから・・反対に、空が青く見えるのは、空気中の分子によって一番散乱され、強められるのが青色の光であるから・・と自然の不思議の解明が進みました。そして全ての色を吸収すれば黒に、全ての色を反射すれば白になることも・・葉っぱの緑は、葉緑素クロロフィルが、赤と青紫の光を吸収した後の、残りの色だったんですね。 この二月三月四月・・梅、桃、桜のピンクレディーたちが、次々に目を楽しませてくれます。アントシアンという色素が多ければ紅、少なければピンクになるそうです。又、花の時期がずれるのは、外界の温度を感知し、開花を指令する遺伝子の違いのため。花びらへの色素の配分や、花が散り、葉が出る仕組み。昨今の科学者たちは、生命の神秘の鍵を握る遺伝子探しに夢中のようです。(※1) ところで、福島県には三春町という、梅桃桜がほぼ同時に咲く町があるんですって!それは、土地の気候が厳寒続きの後、3月下旬に急に温かくなるため・・けれども、三種とも一定期間低温を経なければ、花が咲かない仕組みになっているのですね。人工的に温かく保っていると、花の芽は「眠り続ける姫」の如くなるとか。その目を開かせるのが「寒さ」という刺激・・ 先週、大阪天満宮の大盆梅展に行ってきました。疲れた体が癒されるような心地。でも、梅や桜を愛でるために出かけても、桃はわざわざ見に行かないものですね。桃と言えば、果物を先に思い浮かべる「花より団子」のワタクシ。桃の花ちゃん、ごめんなさい。寒風の中で凛と咲く姿や香りは梅が一番ですし、一斉に咲き、短い命を潔く散らしてゆく姿は、桜の独壇場・・それぞれの個性を輝かせながら、春に彩りを添えてくれます。本当に、自然には「不思議」と共に「美しさ」がいっぱい詰まっています。こんなにも、様々な色や形の花があり、それが高貴な香りを放ち、鳥はかわいい声で枝に飛びきたる・・このような慈悲に溢れた世界に生かされていることに、年を重ねて、ようやく感謝できるようになりました。その感動を胸に、科学者は実験室に走り、詩人は言葉を紡いできたのでしょう。 ♪笑ってよ〜♪と歌っている私にだって、笑えない日もあります。心が脱皮せんと藻掻いている時、自分の力不足に情けなくなる時、また、反省を促されている時・・ 一見苦しみとも思える時間が訪れます。(※2) けれども、見事に咲いた花に顔がほころぶ時、たとえ大きな笑い声が出せなくとも、心は本来の力を蘇らせることが出来るように思うのです。「寒さを経なければ、花は咲かない」という大自然の摂理が、その時、声なき声として励ましてくれているから・・かも知れません。 *******************************(※1) 今、アメリカでは「進化論」と「知的設計論」の両方を学生に教える運動が起きているようです。遺伝子工学の進歩で「単なる進化論では説明できないことが増えてきた」からとのこと。「笑いはなぜ大切か?」で触れた筑波大学名誉教授の村上和雄先生も、遺伝子の神秘に打たれ「生命の創造者」の存在を示唆しておられます。「お笑い研究家」と誤解されたらいけませんので、ここで補足しておきますね。ニュートンやアインシュタインもそうでしたが、21世紀になって再び、創造主を解明せんと迫る動きが、科学者たちの中で再燃し始めたようです。(産経新聞2006.3.1正論より) (※2) 私が毎日メールで受け取っている「健康カレンダー」に次のような内容の言葉がありました。 ・・・・・積極的イメージを持ち続けるためには、健康の管理も大切。 ・・・・・否定的な想念が浮かびやすい人は、まず身体づくりをしましょう。 笑えない日は、時には、栄養や休養が足りなかったり、運動不足の日であるのかも知れませんね。 |
BGMの小鳥の鳴き声は「ミソサザイ」です。