ねえねえ知ってた? 平成十九年十月 |
平成19年10月17日(水)
食欲の秋ですね。でも毎年、夏でも食欲減退とはならないワタクシですので、芸術の秋・・センチメンタルな秋・・と言えるかも知れません。1年を通して、ちょっとエネルギーが足りなくなったかな?と感じたら、焼き肉やさんではなく、お寿司やさんへと足を運ぶサンサンてるよ。そこで、心も身体も満足して、またがんばろうという気持ちになるのですから、お寿司のネタになってくれている魚たちには感謝感謝でございます。ですから、我が家の子どもたちは小さい頃から、お寿司の味を覚えてしまって、何かあれば「行こ!」と袖を引っ張られますので、出費が・・・と言っても、高級寿司店ではなく、「大好き寿司」という回転寿司のお店。経済的にも大変助かっております。 さて、お寿司のネタで、ウチの子どもたちが大好きなイクラ。人間の口に入ることなく卵が孵ったなら、こんな具合になるようですね。こちらをクリックしてみてくださいませ。孵化したイクラちゃんが動く様子が見られます。実は今朝、教育テレビで「鮭の一生」という番組をしていたのです。いつもは朝からテレビを見る習慣などないのに、何故か魅入ってしまい、大自然の営みにウルウルしてしまいました。誰が教えたわけでもないのに、メスは尾びれで川底に穴を掘り、時満ちれば、オスとメスが並んで同時に産卵・・更には、他の魚に食べられないよう、また石で卵を隠すという心配り。 そして、卵を産み終えると一週間ほどで命尽きるイクラちゃんたちのパパとママ。この子たちの行く末を見届けたいという願いなど許されません。全ての鮭にとって、避けることのできない宿命・・人間なら乳飲み子を置いて死んでゆくなど、到底心残りでできないでしょうが、後のことを大自然に委せきって、川面にお腹を見せて横たわる彼ら。 やがて、二ヶ月ほどすると卵の膜を勢いよく破って、やんちゃ坊主たちが飛び出してきます。これから、どれほどの長い旅路が待っているのか、彼らは知っているのでしょうか?体長6センチともなれば川を下り、遠くはアラスカの海まで出かけ、そして又、4年ほどで、生まれ故郷に戻ってこなくてはならないというのに・・ けれども、稚魚たちのピチピチした動きは、パパやママの顔を知らないことなど、何のその!これから始まる過酷な冒険に、挑戦意欲満々!であることを物語っているように見えます。 それにしても、あれこれと手間暇かけて育てるのは、人間くらいですよね。だからこそ、深い愛情の絆で結ばれることもあれば、葛藤が生じることもある。そして、みんなが同じ行動を取る鮭の一生に比べるなら、十人十色、百人百様・・それだけ幅広い選択の自由を許されているのも人間だけ。安全なレールの上をひたすらに走るも良し。時には冒険して寄り道をしてみるのも又、良し。 お釈迦様が悟りを求めて苦闘しておられた時代、様々な動物の生き方に学ばれたと聞いたことがあります。それぞれの動物や植物の有り様に、それらを設計・創造された偉大な方の願いが隠されているのでしょう。その謎解きができたなら、この世を旅する時間もきっと楽しいものとなるに違いありません。はたして「鮭の一生」は、私たちに何を教えんとしているのでしょうか?<補足> 札幌市には、「さけ科学館」という施設があるようですね。鮭と言えば北海道が思い浮かびますが、九州は福岡県嘉穂郡嘉穂町の「鮭神社」を始め、全国に鮭神社があるそうです。嘉穂町を流れる遠賀川は鮭の南限の川といわれ、ここにサケが上った年は豊作になるとされているとか。鮭は昔から、「神の使い」と見なされており、カナダやアイヌの人々は、特別な儀式の後、感謝して鮭を捕っていたとのこと。鮭という言葉は、常陸風土記や出雲風土記にも登場し、神に捧げられたり信仰の対象となる特別の魚だったそうです。 |