ねえねえ知ってた? 平成十九年四月 |
平成19年4月30日(月)
今月は、このコーナーをサボりまくっておりました。申し訳御座いません。では、新緑の5月を迎える前に、もうひとつだけ記事を追加しておきましょう。今日は数学のような音楽のようなお話です。私が担当する授業では、三平方の定理を使った問題を解くことがあります。下の図をご覧下さいませ。![]() (例) 1+3+5+7=16=4×4 1+ 3 + 5 + 7 + 9 = 25 = 5 x 5 2.無理数の発見 3.三角形の内角の和は180度である 4.正五角形の作図方法 5.ピタゴラス音階(弦の長さを半分にすると1オクターブ高くなる) また、宇宙をコスモスと呼んだのは、ピタゴラスが最初だそうです。コスモスとはギリシャ語で秩序を意味します。「万物は数から出来ている」とか、宇宙は数学的な秩序で美しく調和していると考えた彼らしい命名ですね。 更には、コペルニクスが地動説を唱える(16世紀)はるか昔に、ピタゴラス学派の人々は、地球は球体であり、地球が太陽の周りを回っているという地動説を計算から導き出していたと伝えられています。 音楽の分野では、弦の長さが音の高さに関係することに注目し、ピタゴラス音階なるものを発明した業績は、音楽に数学的な理論を持ち込んだ最初だったかも知れません。それまでは勘に頼って調律していたようですから・・もうここに書ききれないほどの業績がありますので、今日は私の解説は短く、彼の音楽の領域での業績を綴ったサイトをご紹介して終わりたいと思います。超人ピタゴラスの音楽魔術です。まえがき第1章から第5章までを順々に開いてくださいね。 |
平成19年4月11日(水)
今日は、勤務先の入学式の後、大阪城を横切って歩いて帰りました。ちらほら葉っぱが出始めていますが、満開のサクラの向こうには、大阪城がポッカリ浮かんでいます。ふと下を見れば、そこにはピンクの絨毯が敷き詰められているよう・・お姫様になった気分で、花びらを一枚ひろってみました。魚通の方はウロコ一枚から魚の名前を当てるようですが、花びらの一枚一枚にも又、サクラの花として生きていた証が刻まれています。日本全国のサクラの木だけでも大変な数なのに、その一本一本に付く花びらの数ともなれば、兆、京・・の単位では済まないかも?なのに、ひとつひとつが、確かに桜の花びらの形をして、手品のように枝から産み出されてくること・・本当に、奇跡のような出来事です。今日も、神秘に打たれながらのウオーキングタイムでした。 大阪城公園では、南西の門にしだれ桜を数本見かけたくらいで、ソメイヨシノがほとんど。でもこの桜、江戸時代に、オオシマザクラとエドヒガンとの交配によって生まれた、歴史の浅い品種なのですね。実は、江戸から吉野山まで花を見に行けないので、江戸染井村(現在の東京都豊島区)の植木商が、「吉野桜」という新しい品種の桜をつくりだしたのが、始まり。ソメイヨシノの場合、花が咲いた後で葉っぱが出てきますが、ヤマザクラは花と赤っぽい葉が同時に出る品種。都会でソメイヨシノが好まれるのも、花だけを愛でることができるからかも知れません。 ですから、万葉の頃から歌に読まれていたのは、ヤマザクラ。そう、西行さまが愛でられたのは、ソメイヨシノではなかったのです!他にも、いろいろな桜の交配によって冬に咲く品種が生まれたりもするのですね。 古代より、サクラは農耕民族の日本人にとって、特別な存在でした。暦がなかった時代、サクラの花が、農事を開始を知らせてくれます。そこから、サクラの「サ」は田の神をさし、サクラの「クラ」は神の座の意で、すなわち田の神の依代(よりしろ)という意味の名が付けられたと言われています。満開のサクラは、豊作を連想させることからも、古代より大切にされてきたようですね。 落語にさくらんぼ(あたま山)という奇想天外な話があります。さくらんぼの種をごっくんと飲み込んでしまった男。頭に大きなサクラの木が生えてきて、花見に来た人たちがどんちゃん騒ぎをし始めます。うるさくて眠れないので、とうとうサクラの木を引っこ抜いてしまいましたが、今度は雨が降って、頭の上に池が・・すると、又人々が船遊びをしにやってきます。世をはかなんだその男、自分の頭の池に身を投げるというお話です。けれども、サクラは種を撒くのではなく、挿し木で増やすのだと知りました。アメリカの首都ワシントンにあるポトマック公園に、日本から送られた桜が植えられています。ここの桜は明治時代の終わり、アメリカのタフト大統領夫人ヘレン・タフトさんらの要望で、当時の尾崎行雄東京市長がプレゼントしたもの。その時、植えられた苗木は、 東京荒川の五色桜の枝を、伊丹市で育った台木に接いだものだったようです。大阪の伊丹と聞いて、ワシントンの桜がとっても身近に感じました。ワシントンの桜物語はこちらでごらんください。桜の育て方等は、こちらにて・・ 害虫など天敵が多く、子どもを育てる以上に手間のかかる桜。私たちは、ただ眺めて喜ぶだけですが、一本一本に手間暇かけてくださった職人さんたちに手を合わせたくなりました。 余談ですが、日韓併合時、日本人が韓国に桜の木(ソメイヨシノ)を植え、韓国に花見の習慣が伝わったそうです。けれども、日本からの独立後、桜は日本を象徴する「悪い花」ということで伐採。そこで伐採に反対する人々が「桜の起源は済州島」という説を訴え始めました。朝鮮日報1996年4月30日付には、「日本を象徴する桜の元祖 王桜が『漢拏山』で何本も発見され、王桜の済州島自生説を後押しする証拠として提示されている」との記事を載せています。世界中の人たちが、そんな反目も忘れて、武器も捨てて、仲良くお花見できる時代がくるといいですね。 |