ねえねえ知ってた? 平成20年1月

平成20年1月29日(火)

 寒い日が続きますが、周りにはハートの温かい方々が多くて、サンサンてるよの心は今年もポッカポカ・・今日も嬉しい出会いがありました。その直前には、その方の存在をより一層引き立ててくれる冷たい人も・・嬉しい出会いとは、やっと良心的な宝石屋さんに巡り会えたこと。その前に、今日は遺品整理のお話をいたしましょう。それが必要になるのは、まだまだ随分先でしょうが、友人知人にそういう方がいらっしゃったら、是非教えてあげていただきたくて・・
 母が亡くなって早や三年・・遠いところですので、膨大な量の遺品は最近までほとんど手つかずのままでした。最初の年は家の外に置かれたままになっていた不要品を処分して、外回りだけはスッキリ。母の年代は物を捨てられない世代なのです。
 次の年は沖縄旅行のため、淡路島には行けませんでした。昨年秋頃より、訪れる回数も増やして少しづつ整理してきましたが、着物や指輪は私のサイズに合わないので、ほとんどを換金することに・・そんな中から、学んだこともたくさんありました。
 まず、着物は、大島紬、結城紬、丹後ちりめん、京友禅、加賀友禅、八重山布、能登上布、小千谷縮、芭蕉布、有名作家物(古いデザインはダメ)等しか、納得のいく値で買い取ってもらえないこと。何も知らずに、数点あった大島紬や良い着物はお弟子さんたちにお分けしたため、買い取り業者には、コートも合わせて15枚で1万円というご奉仕価格で持っていかれました。
 さて、宝石類ですが、こちらは0.5カラット以上のダイヤ以外は、ほとんど値がつかず、むしろ地金のプラチナや金の方が需要があるようです。プラチナ1000の価格で、1グラム5000円代〜6000円代まで、毎日変動。数ヶ月前は5500円でしたが、今日は6600円で売るには絶好のチャンス。(ちなみに純金は、1グラム2000円代〜3000円代とプラチナよりも安いのです。)2年前、訳もわからず、雑誌の広告に載っていた業者に持って行ったことは、後悔先に立たず。その後、整理の度にプラチナやK18製のアクセサリーが出てくるので、昨年は、別の信頼できる宝石店に持ち込んでいました。そこの女性担当者は親切でしたので気に入ってたのですが、つい最近、「換金の手数料は20%」と明記した広告を見てから<ちょっと高すぎない?>と初めて疑問を持ったのです。そこでタウンページを開けて調査を開始。試しに何件か電話をすると「仲買業者は大抵どこも20%の手数料がかかる」とのこと。それに対して、「手数料無料」とタウンページの広告に書かれた業者が2社ありました。まず、ひとつめ、南船場の「日本マテリアル」というところに電話。すると、若い女性が何ともつっけんどんな話し方。やはり「手数料無料」だけあって、業者から個人までいろんな方が持ち込むのでしょう。「おそらく、私を業者と間違ったのだろう。」と推理するも、答えが返るたびに「息子の嫁にはしたくないNO.1のタイプ」という思いが募ります。その日の買い取り量に達すると店を閉めるとか。店が急がしすぎて、丁寧な対応をしなくても十分にやっていける会社だったのでしょう。たとえ手数料1万円分が節約できるとしても、ここには行きたくないなあと思って電話を切りました。
 次に問い合わせたのが、西成区動物園前にある「阪口工芸」というお店。「『同業者歓迎』と書いてあるし、きっと仲買ではないのだろうなあ。また、木で鼻をくくった対応をするかなあ?」と思いながらダイアル。すると、えらい腰の低い丁寧な対応。時計もO.Kとのこと。一度行って見ようという気になり、雨の中を堺筋線に乗って、久しぶりに通天閣の街に出かけました。ワタクシ直観が閃いたら、余り警戒もせず行動するので、人からフットワークがいいと評されるのですが、今回も吉!と出たようです。
 さて、地下鉄1番出口を上がり、歩いて三分ほどの間には、いくつもの宝石店が並んでいます。その内見えてきた「阪口工芸」は一見、普通の宝石店。なのに手数料は要らない・・一体どういうことなんだろう?出て来られたのは、いかにも大阪のおじちゃんという感じの気さくなご主人。
 「一箇所に宝石店が集まっているのは、どういうわけですか?」
 「おやじの時代には、ここらへんには100軒以上も宝石店があったんです。
  立ち退きで大方余所に行きましたけど・・」
 「手数料無しで、おじさんにはちゃんと儲けが入るんですか?」
 「ほんまは手数料無しで十分儲かるのに、20%も取ったらあきまへんわ。
  そんなんしてたら別のとこからお金が出ていきます。
  たいがい、買い取りしてる宝石店は、田中貴金属の下請けになってます。
  うちとこにも買い取りに来ますが、お金払ってくれるの、何ヶ月も先でっせ。」
ここでも又、いろんな社会勉強をしながら、親切なおじさんにネックレスとイアリング、そしてロンジンの時計をしめて61100円で引き取っていただき、母にも感謝の合掌をした1日でした。子孫には着物よりもプラチナか金で残すべし!が教訓かな?今、ちょっといろいろと物いりな時期ですからねえ。
 それにしても、知らないことは恐ろしい!今までの分だけでも地金にして20万円分ほどあったので、5万円の損をしていた計算になります。初めの2軒のお店の方も会社の方針には逆らえなかったのでしょうから、それぞれの方のお心にも感謝。でも、3軒目にして良心的なお店に出逢えて、それだけでもヨカッタ!と思えた今日。
「がめついことしてたら、他のところから出てゆく」というのは、先代のお父さんの口癖でしょうか?「大阪の人間はがめつい」なんて言わせないわよっ!と思ってしまいました。
 ということで、今日のイチオシは「阪口工芸」さんでした!その後、すぐ近くのスパワールドが3月末まで入館料1000円のキャンペーン中なので、ここ数週間の疲れを癒して、心も身体もポカポカで家路に着きましたよ。